核共有は、いま議論すべきでしょうか (6)

ケネス・ウォルツは、大国の兵力分布が国際政治秩序を左右するとして、究極的には二極構造が国際秩序をもっとも安定させると結論づけました。それは、大国による国家中心主義、安全保障中心主義であり、非国家行為主体や非軍事的領域には関心が払われていません。ですから、2010年3月の韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件......

POSTED:2022/3/26
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核共有は、いま議論すべきでしょうか (5)

核兵器による抑止が安定した平和を呼び込めるとされていた大勢の意見に、疑問符を投げかける意見が登場します。それは、2007年1月4日にウォールストリート・ジャーナル紙に掲載された「核兵器のない世界を」と題された投稿記事でした(脚注 1 )。執筆者は、以下の四人です。ウィリアム・J・ペリー:ビル・クリン......

POSTED:2022/3/22
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核共有は、いま議論すべきでしょうか (4)

「核共有は、いま議論すべきでしょうか(3)」で見たように、核兵器抑止論は時代とともに変容してゆきました。しかし、米国では核拡散を肯定的に論じる伝統があると言われています。その代表格が核の国際政治理論に多大なる影響を及ぼした政治学者のケネス・ウォルツ(1924〜2013年)です。「北朝鮮の核と共存可能......

POSTED:2022/3/20
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核共有は、いま議論すべきでしょうか (3)

核抑止の考え方は、核兵器先進国であった米国を軸として時代とともに変遷してゆきました。大量報復戦略(MassiveRetaliationStrategy)前回見たように、核抑止理論の対象となっていたのはジョージ・ケナンが「理性の論理に鈍感なくせに、力の論理にはきわめて敏感である」と言った、共産主義国家......

POSTED:2022/3/18
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核共有は、いま議論すべきでしょうか(2)

食料より核兵器たとえどんなに貧しくとも、「核抑止力」こそが国是であるとしたのは何といってもお隣さんでしょう。中国は、自国で最初の原爆実験を行う前年の1963年、自国の独立を保障するための最重要政策手段は核兵器であるとの前提にたって、当時の外交部長の陳毅(チェン・イー)はこう述べました。「中国人はたと......

POSTED:2022/3/16
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